新NISAの成長投資枠は少しリスクをとった投資をしたい!と考えている方は多いのではないでしょうか。
個別株やFANG+、新興国でも成長が期待されるインド指数など、期待できそうな投資先があるものの、長期投資でそこまでリスクを取るのは怖いと思う方、ナスダック100の積立投資でどうでしょうか?
1986年からの過去データを使ったリアルなシミュレーション結果を見て、成長投資枠へのナスダック100積立投資が”自分でとれるリスクかどうか?”の判断材料としていただければと思います。
1.新NISAの概要 ~投資枠上限と保有期間の拡大へ~
2024年から始まる新NISA制度は、非課税投資枠の上限拡大や非課税保有期間の無期限化など、現行のNISA制度と比べて大きく変わり投資額、期間ともに大幅に拡大されました。
具体的な投資額について、新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類の口座を併用することができ、年間投資枠は最大360万円、生涯非課税限度額は1800万円まで広がっています。
今まで年間の積み立ては年間上限40万円だったのが、年間上限360万円まで上がり、投資限度額も1800万円まで拡大されたことで、積み立てる金額と期間に自由度がもてるようになりました。
特に、成長投資枠の上限1200万円分(年間上限240万円)については、対象の投資信託が増えることはもちろん、国内・海外の個別株やETFなど、投資先が非常に多いため、つみたて投資枠よりもリスクを取った運用が可能になります。
そこで、S&P500やオルカンよりも高いリターンが期待できるものの、リスクがそれなりに高いナスダック100を成長投資枠で積立投資するとどうなるのか?を過去データからシミュレーションすることで、”新NISAの成長投資枠としてナスダック100に投資した場合のリスクとリターンのバランスがどうか?”を感じていただければと思います。
なお、ナスダック100に連動した投資信託がようやく現行のつみたてNISAの対象商品として追加されましたので、新NISAでも、つみたて投資枠+成長投資枠の両方を使って、年間360万円、最大1800万円までナスダック100連動型の投資信託に投資可能になります。
大和アセットマネジメント株式会社(代表取締役社長:小松幹太、以下「当社」)は、このたび、下記の通り「つみたて NISA」対象商品として「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」(以下「当ファンド」)を追加しました。本件は、本日、金融庁ウェブサイトにて公表されましたのでお知らせいたします。
大和アセットマネジメントのお知らせ
2021年から投資を始めた初心者のブログ管理人「なおた」は、成長投資枠も含めて、すべてS&P500か全世界株式(通称オルカン)の投資信託へ積み立てることをおすすめしますが、リスクが取れる方は今回のナスダック100に資金を振り向けても良いと思います。
2.成長投資枠へナスダック100を積み立てるシミュレーション条件
1986年から38年分のナスダック100データを使い、以下の条件を考慮して新NISAの成長投資枠にナスダック100を積み立てるシミュレーションしていきます。
新NISA 成長投資枠積み立て条件
- シミュレーションは以下3パターンで成長投資枠の上限1200万円まで投資
パターン1:6.6…万円/月×15年積み立て
パターン2:10万円/月×10年積み立て+5年運用
パターン3:20万円/月×5年積み立て+10年運用 - 投資先はナスダック100 連動の投資信託を想定
- 投資信託の経費率はニッセイNASDAQ100インデックスファンド想定の0.2%とし、配当はすべて再投資
- 配当は直近のNASDAQ100 平均配当率の0.5%で一律計算
- ドルベースではなく、円ベースでの算出
なお、ナスダック100の過去20年平均利回りである約10%で単純に比較すると、以下のようなチャートになります。
各パターンの15年目の新NISA成長投資枠の資産額
- 6.6...万円/月×15年積み立て:約2,541万円
- 10万円/月×10年積み立て+5年運用:約3,255万円
- 20万円/月×5年積み立て+10年運用:約3,800万円
3.新NISAの成長投資枠シミュレーション結果 ~ナスダック100積立投資 38年分~
それでは、1986年を開始年として、毎年1月から新NISAの成長投資枠へ積み立てたシミュレーション結果を見てみましょう。現在、2024年になりますので、15年前の2009年積み立て開始が最新となり、24回分のデータになります。
なお、黄色に近いほど投資元本である1,200万円から増えなかったパターンとなっており、緑色が濃くなるほど資産額が大きくなっていきます。
全24回分の評価額平均を見ると、すべてのパターンで15年後には最低でも3倍以上になっており、20万円×5年の最速で成長投資枠を使った場合は5倍まで増えるという、驚異の結果になっています。
また、元本割れしてしまうパターンは2パターンのみで、元本割れしてしまった場合でも損失が非常に小さいです。10万円×10年の積み立てパターンに至っては元本割れなしという結果です。
ただし、S&P500や全世界株式(通称オルカン)のように分散が効いていないため、シミュレーション結果からもわかる通り、マイナス5%~プラス1200%のリターンと、非常にブレ幅が大きいです。
直近38年は非常に高いリターンを高確率で実現できていますが、今後も同じリターンが期待できるかは、米国のハイテク企業が成長していくか?にかかっています。果たしてどうなるでしょうか・・・。
4.新NISAの成長投資枠は上限まで最速で積み立てるのがおすすめ ~ナスダック100シミュレーションまとめ~
成長投資枠を15年程度の中長期投資として考えている場合、過去の実績とリターンから、ナスダック100への積立投資は悪くない選択肢ではないでしょうか。
期待値としては、”15年で、最悪元本が戻ってくる、成長投資枠をゆっくり埋めても3倍、最速なら5倍まで資産が増える”という具合です。
そして、全24回のシミュレーションにおける資産平均からは、成長投資枠を最速で使い切るほうが有利であることがわかります。
全24回で各積み立てパターンで資産が一番増えた回数を比較すると以下の通りです。
20万円×5年:20回(83%) > 10万円×10年:3回(13%) > 6.6万円×15年:1回(4%)
コレがおすすめ
- リターンの最大化を狙うなら「月20万円×5年の積立投資」がおすすめ
- 資金力が足りない場合、できるだけ早く成長投資枠を使い切ることがおすすめ
未来はわかりませんので、米国のハイテク産業が崩れてしまったり、米国経済が破綻してしまうと、オルカンのように分散が効いていないため、非常に厳しい結果になる可能性もあります。IT業界でセールスマネージャーをやっている管理人としては、米国のハイテク産業が直近で崩れることはなく、むしろさらに進んでいきそうだなという感覚です。
5.新NISAの成長投資枠をナスダック100で積立投資したベスト、ワーストシミュレーション
成長投資枠の候補として魅力的なナスダック100ですが、オルカンやS&P500と比較した場合、分散が効いていないため値動きが非常に激しくなります。
そこで、ナスダック100に投資した場合のベストシナリオとワーストシナリオとして、以下の2パターンがどのような資産推移になったのかを見ておきましょう。
- ワーストシナリオ:1994年or1997年積み立て開始したパターン
- ベストシナリオ:2009年積み立て開始したパターン
月6.6万円×15年 新NISAの成長投資枠シミュレーション
月10万円×10年 新NISAの成長投資枠シミュレーション
月20万円×5年 新NISAの成長投資枠シミュレーション
本ブログ記事で最初に取り上げた右肩上がりの資産推移や、証券会社などのシミュレーションと比較してどうでしょうか?
ベストシナリオの資産額が大きすぎて、ワーストシナリオがあまり動いていないように見えますが、そんなことはありません。
例えば、20万円×5年のワーストシナリオの場合、5年間かけて1200万円積み立てた資産が、ドットコムバブル崩壊で約半分の630万円まで落ち込みます。その後、5~6年かけてようやく元本復帰し利益が乗り始めますが、リーマンショックをうけて約40%マイナスの700万円まで、再度落ち込みます。
なお、リーマンショックの底値から2年後には概ね元本復帰、さらに2年後には、資産が2倍の2400万円まで増えるという結果になっています。
最後に・・・直近37年の24回分データではありますが、すべてのパターンでほぼ元本割れなしであり、平均ではすべてのパターンで15年後には最低でも3倍以上になるという、非常に優れた投資対象であることが過去データからわかりました。
米国経済、米国ハイテク産業が、引き続き明るい未来であると信じられ、値動きの激しさもリスクとして受け入れられるということであれば、新NISAの成長投資枠としてナスダック100はアリではないでしょうか?
オルカンやS&P500との比較はどうなっているのか?気になる方はこちらの記事もどうぞ!
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