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新NISAのおすすめ投資信託の銘柄は? ~過去データのシミュレーション~

2023年11月19日

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※2024/01/14 Update※

新NISAの投資先 オルカン? S&P500? NASDAQ?

2024年からは始まる新NISAの投資先は決まりましたでしょうか?

おそらく、多くの方は全世界株式(通称:オルカン)やS&P500に連動した銘柄の投資信託を選ばれているのではないかと思います。

もしくは、どちらにしようか迷っている方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、過去平均リターンのシミュレーションではなく、オルカン、S&P500はもちろん、ハイリスクハイリターンであるナスダック100の過去データを利用して、「過去のリアルなシミュレーション結果」から新NISAの”おすすめ投資信託の銘柄”をご紹介し、以下のお悩みポイントを解決していきます。

お悩みポイント

  • オルカンとS&P500はどちらが有利なのか?
  • ナスダック100への長期積立投資はリスクが大きすぎないか?
  • シミュレーターで年利5%や7%ではなく、実際のオルカンやS&P500、ナスダック100の株価だとどうだったのか?
  • 投資信託はドルではなく円で運用だが、為替の影響でどうなるのか?
  • オルカン、S&P500、ナスダック100でどのぐらい差がついたのか?
  • 実際の資産推移はどのようなことになるのか?

2024年から始まる新NISA制度は、非課税投資枠の上限拡大や非課税保有期間の無期限化など、現行のNISA制度と比べて大きく変わり投資額、期間ともに大幅に拡大されました。

具体的な投資額について、新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類の口座を併用することができ、年間投資枠は最大360万円、生涯非課税限度額は1800万円まで広がっています。

出典:金融庁ウェブサイト(新しいNISA

今まで積み立ては年間上限40万円だったものが、年間上限360万円まで広がり、投資限度額も1800万円まで拡大され、保有期限が無期限化されたことで、つみたてる金額と期間の自由度が大幅に高まりました

自由度が高くなったことで、投資先を間違えてしまうと致命傷になりかねません。また、リスクをしっかりと把握できていないと、「こんなはずじゃなかった・・・」という事態になると思われます。

インデックスの長期積立投資の候補として、オルカンかS&P500の投資信託の銘柄にたどり着いている方が多いと思います。今回はオルカン、S&P500にくわえて、ナスダック100の過去データからシミュレーションし「新NISAのおすすめ投資信託の銘柄」をご紹介していきます!

新NISAに2つある投資枠のうち、”つみたて投資枠”については、長期の積立・分散投資に適した一定の条件を満たした投資信託のみとなっています。

つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています(対象商品についてはこちら)。

出典:金融庁ウェブサイト

新NISAのつみたて投資枠の対象商品は200本以上ありますが、過去実績のある優秀なインデックスに連動した、低コストの投資信託を選ぶ必要があります。

ココがポイント

全世界株式(オールカントリー)、S&P500、ナスダック100など、基本的に右肩上がりで成長してきたインデックスに連動した、信託報酬が0.1%以下の低コストな投資信託である、eMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズから選ぶべし!

今回の記事におけるシミュレーション条件は以下の通りです。

新NISAシミュレーション条件

  • シミュレーションは以下3パターンで上限1800万円まで投資(合計15年間)
    パターン1:10万円/月×15年積み立て
    パターン2:20万円×7.5年積み立て+7.5年運用
    パターン3:30万円×5年積み立て+10年運用
  • ドルベースではなく、円ベースでの算出
  • データ期間1998年~2023年(合計22回分)
     
  • オルカン:低コスト投資信託想定の経費率0.1%、配当再投資(配当は直近のオルカン平均配当率1.75%で一律計算)
  • S&P500:低コスト投資信託想定の経費率0.1%、配当再投資(配当は直近のS&P500平均配当率1.10%で一律計算)
  • ナスダック100:eMAXIS NASDAQ100インデックス想定の経費率0.44%、配当再投資(配当は直近のNASDAQ100平均配当率0.50%で一律計算)

新NISAの投資枠へ月10万、20万、30万の3パターンで、オルカン・S&P500・ナスダック100へ投資した過去シミュレーション結果を比較してみます。

結果はすべて15年後の資産評価額となてっており、表の資産単位は”万円”で端数を切り上げています。

なお、緑が濃くなるほど資産額が増えており、オレンジ~赤は元本割れしていることを表しています。

月10万円×15年シミュレーション比較

新NISAおすすめ銘柄投資信託の月10万積立比較(オルカン_SP500_ナスダック)_4

月20万円×7.5年シミュレーション比較

新NISAおすすめ銘柄投資信託の月20万積立比較(オルカン_SP500_ナスダック)_4

月30万円×5年シミュレーション比較

新NISAおすすめ銘柄投資信託の月30万積立比較(オルカン_SP500_ナスダック)_4

平均を見れば、証券会社のシミュレーターで計算したような資産額になっていると思いますが、開始した年によっては「コツコツ積立&15年運用しても元本割れすることがある」一方で、「資産が倍どころか10倍以上になることもある」という、非常に大きなブレがあることを認識しておきましょう!


オルカン・S&P500・ナスダック100、15年後評価資産の平均をパターン別にグラフにするとこのようになります。

新NISAおすすめ銘柄投資信託の積立比較_平均(オルカン_SP500_ナスダック)_4

1988年からの過去データ22回分からは、”ナスダック100に連動する経費率が低い銘柄の投資信託積み立てる”のがおすすめであると言えます。

ナスダック100は、15年間運用してほぼ元本割れがなく、平均して資産が約2.8~4.5倍程度まで増えるという驚異の結果です。

ただし、あくまで過去データであり、直近35年分という少ないデータからの結果となります。ナスダック100の構成で大きな割合を占める、ビッグテック企業(アップルやマイクロソフトなど)が今後も成長していくか?次第でしょう。

オルカンか?S&P500か?については、ほとんどのケースでS&P500が有利であり、平均からもS&P500がおすすめと言えます。

すべての年、すべての積立パターンでナスダック100への投資が最も資産が増えています。こうなるとナスダック100連動型の投資信託に全力投資したくなりますが、次のベスト・ワーストシナリオも見てからにしましょう!想像を大きく超える値動きに驚くと思います・・・。

新NISAでオルカン、S&P500、ナスダック100に連動したコストの低い銘柄の投資信託へ、月10万、20万、30万積み立てたベストシナリオとワーストシナリオをみておきましょう。

それぞれの銘柄でどの程度利益が上下するのか?を確認することで、ご自身のリスク許容度を超えない投資をしていただければと思います。

ベストシナリオの利益推移 比較 ~2009年パターン~

タイプ別おすすめ

月10万円×15年の利益推移シミュレーション比較

ベストシナリオ_新NISAおすすめ銘柄投資信託の月10万積立利益推移比較(オルカン_SP500_ナスダック_2009年開始)_4

月20万円×7.5年の利益推移シミュレーション比較

ベストシナリオ_新NISAおすすめ銘柄投資信託の月20万積立利益推移比較(オルカン_SP500_ナスダック_2009年開始)_4

月30万円×5年の利益推移シミュレーション比較

ベストシナリオ_新NISAおすすめ銘柄投資信託の月30万積立利益推移比較(オルカン_SP500_ナスダック_2009年開始)_4

ベストシナリオは「あまりにも利益が増えすぎて途中で売ってしまい、資産運用を辞めてしまう」ことがリスクになりそうです。

具体的には、月30万円投資している場合、最後の15年目の1年で、オルカンは1400万円利益が増える間に、S&P500は2900万円、ナスダック100は7800万円利益が増えています。もう十分だと思ってオルカンですら売ってしまいそうです・・・。

ベストシナリオは2009年に投資を開始しているため、リーマンショックのほぼ底から投資開始という形になります。そのため、投資および運用期間中でマイナスになるタイミングは投資開始から2,3ヶ月のみで、以降は含み損をかかえることがなく、常に含み益状態となります。さすがにこれは出来過ぎだと思われます。。。

ポイントはその後で、5年目あたりからすべての銘柄で資産が増えていきますが、オルカンと比較すると、S&P500ですら上下に2倍近く動き、ナスダック100は3倍以上動いています

ワーストシナリオの利益推移 比較 ~1997年パターン~

NISAとiDeCoの違いとメリット、デメリットを考える

月10万円×15年の利益推移シミュレーション比較

ワーストシナリオ_新NISAおすすめ銘柄投資信託の月10万積立利益推移比較(オルカン_SP500_ナスダック_1997年開始)_4

月20万円×7.5年の利益推移シミュレーション比較

ワーストシナリオ_新NISAおすすめ銘柄投資信託の月20万積立利益推移比較(オルカン_SP500_ナスダック_1997年開始)_4

月30万円×5年の利益推移シミュレーション比較

ワーストシナリオ_新NISAおすすめ銘柄投資信託の月30万積立利益推移比較(オルカン_SP500_ナスダック_1997年開始)_4

ワーストシナリオは「株価の上下が激しすぎてリスク許容度を超えてしまい、狼狽売りをして資産運用を辞めてしまう」ことが最大のリスクです。

特に、月30万円の積み立てをした場合のナスダック100の前半の動きは落差が大きく、積み立てて4年を少し過ぎたころには利益2000万円、利益率180%を超えるところまで資産が増えます。その後、ITバブルがはじけて投資開始から6年後には含み損800万円、利益率マイナス46%まで資産が減ってしまうことになります。

かなりレアケースとはえい、「2年で2800万円も資産が減る」という過去があったのは事実であり、それでも資産運用を淡々と続けられるか?というメンタリティがあってこそ、この高いリスクを取るかどうかを検討すべきだと思います。

ただし、1997年積み立て開始は、後半にリーマンショックの影響で、約2年でオルカンも2000万円以上、S&P500も1500万円以上資産が減って含み損になるという、非常に厳しい資産運用になります。

ベスト、ワーストシナリオという少し極端な例ではありましたが、世界に広く分散された全世界株式のオルカンですら、ここまで大きく資産が変動します。株式はリスクの高い資産であることを改めて認識したうえで、ご自身のリスク許容度に合わせて、投資信託の銘柄を選んでいきましょう!

リタイア、セミリタイア、FIREする時に考えることや注意点

過去のオルカン、S&P500、ナスダック100のシミュレーション比較から、経費率の低い投資信託のタイプ別おすすめ銘柄は以下の通りです。

リスク許容度が高く、最大リターンを狙いたいベテラン投資家の方へのおすすめ銘柄

  • ナスダック100連動型の低コスト投資信託
    ・iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
    ニッセイ NASDAQ100インデックスファンド(※つみたてNISAの対象にはなっていません)
    ・eMAXIS NASDAQ100インデックス(※つみたてNISAの対象にはなっていません)

リスク許容度が低いor投資経験の浅い投資家の方へのおすすめ銘柄

  • S&P500連動型の低コスト投資信託
    ・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
    ・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

リスク許容度が低く、投資経験のない投資家の方へのおすすめ銘柄

  • 全世界株式(オルカン)連動型の低コスト投資信託
    ・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

あくまで過去データからなので、これからも世界経済の中心が米国である前提のおすすめ銘柄です。そのリスクも高いと感じれば、やはりオルカンがベストチョイスになるのかもしれません。


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