老後の移住先として沖縄を考えたことがある人も多いと思いますが、沖縄地方の生活費は全国で一番低いことを知っていましたか?
経済的自立と早期リタイアのFIRE(Financial Independence, Retire Early)達成は、
- 支出が低い沖縄へ移住することで近づくのか
- 他の都市への移住のほうが良いのか
を解説していきます。
また、金銭面だけでなく、移住先としてのメリット、デメリットもあげて比較していきます。
老後やリタイア後の移住先として、沖縄を検討している人にも役立つ内容です!
この記事でわかること
- 沖縄への移住で支出がおさえられるのか
- 1人or夫婦2人暮らしの沖縄移住での候補都市
統計データから生活費をくらべる
総務省の「家計調査 家計収支編 2021年のデータ」に各地方、主要都市の2人以上の世帯における支出データがありますので、ここから沖縄県や那覇市の支出について比較、考察していきます。
全国平均と北海道~沖縄地方
まずは、各地方の消費支出をグラフにすると以下の通り、沖縄地方の支出が一番少ない結果になっています。
全国平均と比較すると約80%、関東地方にいたっては約75%の支出で済むことになります。
1億円でFIREを目指している方は7500万円でよいことになるので、大変大きな差になりますね!
意外だったのは北陸地方は支出が関東地方とあまり変わらないことでしょうか。
想像以上に支出が下がることに驚きましたが、みなさんはいかがでしょうか?
主要大都市と那覇市
地方別ですと、少々大きな平均になるので、次に那覇市と主要都市の消費支出を比べてみます。
主要都市で比較すると、さらに差が開く結果になっています。東京都23区は約71%、横浜市からは約76%の支出で生活できることになります。
東京都23区の方が1億円でFIREを目指している場合、那覇市への移住で7100万円でよいことになり、さらに大きな差になりました
大阪市が意外にも支出が低いため、本州の大都市で生活費を下げるのであれば、候補としても良いかもしれませんね!
東京都内と那覇市の支出内訳
沖縄県の支出が低く、中心の那覇市でもかなり生活費がおさえられそうなことはわかりましたが、何がそんなに安くおさえられているのか?内訳を見ていきましょう。ここでは東京都区部と那覇市を比較してみます。
差額と割合から大きく差が出ているのは、食料、教育、教養娯楽あたりの支出になります。教育費は子供にかかるものなので、FIREや老後という観点から支出削減の効果は見込まないほうが良いでしょう。
また、食料についても那覇市内のスーパーのチラシをいくつか見るとわかりますが、そんなに安いこともなく、むしろ輸送費がかかっている分、1割ぐらい高い印象です。
そのため、物価が低いということではなく、都内と比較すると外食が50%程度であることや教養娯楽費も54%程度の支出からも、無駄づかいしないor贅沢しない県民性によるものかなと思われます
なお、住居や水道光熱費はあまり変わらない結果となっています。ただし、負債に分類される住居は持ち家のローンが含まれていないため、賃貸物件を比較していく必要がありますので、次のステップで確認しましょう。
節約生活をしている人が移住する場合、家賃以外は支出が大きく下がる可能性は低いと思われます!
沖縄県の一人or二人暮らし移住先候補と家賃相場
それでは、沖縄県の賃貸物件について調査していきます。
沖縄県内の移住先市町村を考えるにあたり、家賃さえ安ければ古くても狭くても良い!ではなく、それなりの暮らしをしたいということで、以下の条件としています。
賃貸物件の条件
- 1人or2人暮らしを想定した1LDK~2LDK
- 広さは35㎡以上
- 鉄筋系で築10年以内
この条件でHome’sさんで検索してみると、物件が豊富に出てくるのは那覇市のみであり、糸満市、宜野湾市が少々という具合です
もともと、賃貸物件は那覇市以外では物件が少なく、特に1人暮らし用の物件は那覇市でないと選択肢がなく厳しいのが実態です。
なお、那覇市のお隣である浦添市は古い物件が多く、築年数にこだわりがなければ候補になりえるかもしれません。
次に家賃ですが、糸満市、宜野湾市はおおむね7万円でおさまるぐらいとなっています。
一方、那覇市は中心部を外さないと家賃7万円は厳しいです。車を必要としない中心地に住むのであれば最低10万円は必要になります。
都内に比べれば割安で、70%ぐらいの家賃という感じになります!
ただし、沖縄県内での生活は車が必須に近く、軽自動車の維持費(ローン除く)は年間40万円程度となることを考えると、都内では車不要の生活からは月3.3万円の負担増になります。
「家賃30%削減」と「軽自動車の維持費用」が同じぐらいになってしまう計算なので、支出が単純に減ることはなさそうです
沖縄への移住では生活費はそんなに下がらない!?
統計データからは沖縄や那覇市の支出が低いため、生活費がおさえられそうに見えますが、残念ながら全員がそこまで大きな支出減は期待できそうにありません。
特に、節約生活を実践しており、
- 外食はほとんどせずに自炊
- 車は持っていない
- 趣味が少なく娯楽費用がほとんどかかっていない
という場合は、「沖縄での家賃+車の維持費用」と「現在の家賃」次第という感じになります。
逆に、車を持っている場合は、家賃が70%程度に落ちて、駐車場代も0.5~1万円程度と都内の30%程度になりますので、大きく生活費が削減できることになります。
例えば、都内一人暮らしで家賃10万円、駐車場2万円(足立区想定)であれば、那覇市では家賃7万円、駐車場0.6万円あたりまで落ちます。
毎月4.4万円削減できることになるので、非常に大きいですね!
ただし、同じ条件で車が不要な地方都市はいくつもありますので、生活費を下げることが目的であれば、札幌や熊本のほうが条件は良いと思われます。
地方の大都市へ移住を考察した記事はこちらにありますので、あわせてご覧ください。
沖縄への移住はアリ?ナシ? ーメリットとデメリットー
沖縄への移住を金銭面から比較した場合、メリットはあるもののベストな移住先とは言えない結果です。
ただ、沖縄への移住を金銭的なメリットだけで移住を考える人は少ないので、以下のメリット・デメリットを考慮したうえで、移住を考える必要はあります。
沖縄のメリット
- きれいな海や空
- 大自然に囲まれた生活
- 温暖な気候
- 花粉症がほぼない
- 那覇空港からほぼ全国の主要都市へ行ける
- 家賃が安い
ココがダメ
- 湿度が高いのでカビが大問題
- 車はほぼ必須&渋滞がひどい
- 通販、ネットショップの送料が高くなりがち
- 商業施設や娯楽施設が少なめ
- 給料が全国ワースト1位
- 虫が多い&大きい
FIREしていれば、仕事は自由なので給料安くても問題ありませんね!また、今の時代はフルリモートワークの仕事も増えてきましたので、スキル次第で何とかなりそうではあります。
沖縄への移住どうでしょうか?人によっては、あこがれの南国生活で生活費も下がり、非常にメリットがあると思います。
他の地方都市はどうなんだろう?という方は、中規模地方都市(30~50万人規模)の移住も考察していますので、こちらの記事で参考にしてください。