※2024/03/10 Update※
S&P500やオルカンのリターンでは物足りない方は、リスクを取ってNASDAQ100に投資していることが多いのではないでしょうか?
S&P500やオルカンより平均利回りの高いナスダック100ですが、それだけリスクも高いため、実際の過去データから積立シミュレーションを見て、「自分のリスク許容度を超えていないか?」を確認しておくことは重要です。
・ドル建てではなく、円建てでの平均利回りや平均リターンはどうだったのか?
・リーマンショックやドットコムバブルなど、暴落時はどうなったのか?
・利回りとリターンが良かった年、悪かった年でどの程度差がでるのか?
これらをナスダック100の過去データ37年分でシミュレーションし、具体的な数字とチャートで解説します。
この記事でわかること
- ナスダック100へ5年、10年、15年、20年、25年、30年積み立てた場合の平均リターンと平均利回り
- ナスダック100へ積み立て開始した年ごとのリターンと利回り
- ナスダック100の最大・最小リターンのリアルなチャートで見る資産推移
1.ナスダック100の特徴とチャート
ナスダック100の特徴とチャートをおさらいしておきましょう。自分の投資先ですので、ちゃんと把握していない方は、この機会にさらっと見ておきましょう。
NASDAQ100 の特徴
ナスダック100指数は、米国のナスダック市場に上場する、金融を除く時価総額の大きい上位約100社を選んで構成され、時価総額加重平均によって算出される株価指数です。
なお、ナスダック市場は、テクノロジーやバイオテクノロジーなどの成長性の高い企業が多く集まる市場として知られています。
構成銘柄には、アップルやマイクロソフト、アマゾンなどの巨大IT企業が大きなウェイトを占めており、これらの企業は、世界的に影響力を持ち、イノベーションを牽引する存在として注目されています。
ココがポイント
米国の成長企業100社であり、業種も絞っているため、ハイリスク/ハイリターンです
NASDAQ100 の過去チャート
1986年1月のNASDAQ100価格を1とした、ドルベースと円ベースの2023年末までのチャートです。
年利12%のラインを入れてみたものの、それを上回っているチャートになっています!
2.ナスダック100のシミュレーション条件
1986年から37年分のナスダック100のデータを利用した、今回のシミュレーション条件は以下の通りです。
NASDAQ100 のシミュレーション条件
- シミュレーションは以下6パターン
パターン1:10万円/月×5年積み立て(投資総額:600万円)
パターン2:10万円/月×10年積み立て(投資総額:1200万円)
パターン3:10万円/月×15年積み立て(投資総額:1800万円)
パターン4:10万円/月×20年積み立て(投資総額:2400万円)
パターン5:10万円/月×25年積み立て(投資総額:3000万円)
パターン6:10万円/月×30年積み立て(投資総額:3600万円) - 投資先はNASDAQ100 連動の投資信託を想定
- 投資信託の経費率は0.2%とし、配当はすべて再投資(配当は直近のNASDAQ100 平均配当率0.50%で一律計算)
- ドルベースではなく、円ベースでの算出
- 結果は12月末の資産評価額(端数は万単位で切り上げ)
2.ナスダック100の積立投資 過去シミュレーション結果
1986年から2023年末まで、37年分のデータから毎年5年、10年、15年、20年、25年、30年積み立てた場合のシミュレーションを実施しています。
オレンジ~赤の部分は投資元本を下回ったパターンとなり、緑色になるほど資産額が大きくなっていきます。
5年積立投資した利回りとリターン
5年積立の平均(投資総額600万円)
- 平均トータルリターン:341万円
- 年平均利回り:16.7%
ナスダック100へ5年間積立投資(1986年から2023年まで過去34回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。
34回のうち5回(約14.7%)はマイナスリターンになっています。さらに利回りが最低-23.6%~最大47.1%とブレ幅が非常に大きく、5年では積立投資期間としては短いと思います。
10年積立投資した利回りとリターン
10年積立の平均(投資総額1200万円)
- 平均トータルリターン:1,751万円
- 年平均利回り:15.9%
ナスダック100へ10年間積立投資(1986年から2023年まで過去29回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。
29回のうちマイナスリターンは1回(約3.4%)のみとります。ただし、利回りが最低-11.2%~最大32.1%とブレ幅が大きく、可能性はかなり低いものの、失敗すると資産が大幅に減ってしまいます。
15年積立投資した利回りとリターン
15年積立の平均(投資総額1800万円)
- 平均トータルリターン:3,782万円
- 年平均利回り:13.0%
ナスダック100へ15年間積立投資(1986年から2023年まで過去24回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。
24回のうちマイナスリターンは1回(約4.1%)と10年積立投資したパターンと同じでした。ただし、利回りは改善されており、最低-0.5%~最大20.3%となっており、長期積立投資は15年が目安になります。
20年積立投資した利回りとリターン
20年積立の平均(投資総額2400万円)
- 平均トータルリターン:6,743万円
- 年平均利回り:11.3%
ナスダック100へ20年間積立投資(1986年から2023年まで過去19回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。
19回の中でマイナスリターンは1度もありません。利回りは最低4.2%~最大16.9%となっており、20年積立投資が出来れば、非常に高いリターンと安定感が出てきます。
25年積立投資した利回りとリターン
25年積立の平均(投資総額3000万円)
- 平均トータルリターン:1憶3,370万円
- 年平均利回り:11.2%
ナスダック100へ25年間積立投資(1986年から2023年まで過去14回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。
14回すべてプラスリターンとなっています。利回りも最低7.1%~最大14.1%とブレ幅が改善(特に最低値)しており、NASDAQ100の長期積立投資としては十分な期間であると思えます。ただし、14回分のデータしかありませんので、少々信頼性に欠けます。
30年積立投資した利回りとリターン
30年積立の平均(投資総額3600万円)
- 平均トータルリターン:3億3,162万円
- 年平均利回り:12.2%
ナスダック100へ30年間積立投資(1986年から2023年まで過去9回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。
マイナスリターンは当然なく、利回りは最低10.9%~最大13.7%と驚異的な利回りになっています。ただし、9回分のデータしかないこと、2010年以降の米国経済が絶好調であり、特に大型テック企業の躍進が目立ったことに起因しています。
4.ナスダック100の最大、最小パフォーマンスのチャート
過去データから、積立開始の年や積立期間によって結果が大きく変わることがわかりましたが、実際の資産推移がどうなるのか?をチャートで見ておきましょう。
NASDAQ100へ5年、10年、15年、20年、25年、30年と積立投資した、一番良かったパターンと悪かったパターンをチャートで比較することで、シミュレーションサイトとの違いとNASDAQ100がハイリスク、ハイリターンであることがよくわかります。
5年積立投資したチャート
10年積立投資したチャート
15年積立投資したチャート
20年積立投資したチャート
25年積立投資したチャート
30年積立投資したチャート
ナスダック100の場合、暴落時もそうですが、暴騰時も淡々と積立投資できるのか?が重要になりそうです。また、今後も米国がイノベーションをけん引できるのかも、非常に重要なポイントになりますが、果たしてどうでしょうか・・・。
5.ナスダック100の過去の平均利回りとリターンまとめ
NASDAQ100の各積み立て期間における平均をまとめると以下のようになります。
平均利回りが11%を超える驚異的なリターンのナスダック100ですが、積立期間や積立開始タイミングによっては、大きく資産が減ってしまうことも想定しておきましょう。
なお、あくまで過去データからの平均利回りやリターンであり、未来も同じ結果になるわけではありませんが、参考データとしては重要であると思います。
今後も同じぐらいのリターンが出るとすれば、取り崩すほうを考えたほうが良いかもしれません!
新NISAでナスダック100に積立投資をされている方は、こちらのシミュレーション記事もどうぞ!