※2024/01/13 Update※
2024年から新しくなるNISA制度ですが、投資枠が拡大して年間の上限である360万円を”毎月30万円つみたてる”か、”年初に一括で360万円を投資する”か、迷っていらっしゃる方はいないでしょうか?
新たなNISA制度を少しでも有利に使うため、過去の実績はどうだったのか?をシミュレーションすることで、可能性の高いほうを選択していきましょう!
お悩みポイント
- オルカンに年間上限の360万円まで投資する予定だけど、”つみたて”と”一括投資”どちらが有利なのか?
- ”つみたて”と”一括投資”はオルカンに投資すると、どのぐらい差がつくのか?
- 年初に一括で360万円も投資するのはリスクが大きいのでは?
- シミュレーターで年利5%計算なら簡単だけど、実際のオルカンの株価だとどうなるのか?
今回の記事では、多くの方が積立投資の投資先として選んでいる銘柄の全世界株式(通称オルカン)に対して、1988年~2023年まで、それぞれの年で積み立て開始した35年分をシミュレーションしています。
1.2024年に新しくなるNISA制度の概要
2024年から始まる新NISA制度は、非課税投資枠の拡大や非課税保有期間の無期限化など、現行のNISA制度と比べて大きく変わり投資額、期間ともに大幅に拡大されました。
具体的な投資額について、新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類の口座を併用することができ、年間投資枠は最大360万円、生涯非課税限度額は1800万円まで広がっています。
ここまで投資上限額が引き上げられ、また、期間も恒久化されたため、この2024年から始まる新しいNISA制度をうまく利用できるかどうか?が資産形成をするうえで、本当に重要になってきます。
今回は、投資枠の年間上限である360万円まで毎年投資できる資金力のある方が、”毎月つみたてる”か”年初一括投資する”か、過去のオルカンのデータをシミュレーションすることで、”おそらくこれが最適解”をご紹介します。
2021年から投資を始めた初心者のブログ管理人「なおた」は、成長投資枠も含めてすべて、S&P500か全世界株式(通称オルカン)の投資信託で新NISAの投資枠を使い切ることをおすすめします。
2.”つみたて”と”一括投資”のオルカン シミュレーション条件
1988年から35年分のオルカンのデータを使い、以下の条件を考慮してシミュレーションしていきます。
新NISAの投資条件
- シミュレーションは以下5パターン
パターン1:30万円/月×5年積み立て
パターン2:年初120万円+20万円/月×5年積み立て
パターン3:年初240万円+10万円/月×5年積み立て
パターン4:年初300万円+5万円/月×5年積み立て
パターン5:年初360万円×5年積み立て - 投資先は全世界株式(オルカン)連動の投資信託を想定
- 投資信託の経費率は0.1%とし、配当はすべて再投資
- 配当は直近のオルカン平均配当率の1.75%で一律計算
- ドルベースではなく、円ベースでの算出
- 投資開始から5年間で新NISA投資枠は上限の1800万円まで投資、その後10年間運用(合計15年)
なお、オルカンの直近20年の年間平均利回り(ドルベース)である約6%(月利で約0.49%)で上記5パターンを比較すると以下のようなグラフになります。
各パターンの15年目終了時点の新NISA資産額
- パターン1:30万円/月×5年積み立て:約3,730万円
- パターン2:年初120万円+20万円/月×5年積み立て:約3,770万円
- パターン3:年初240万円+10万円/月×5年積み立て:約3,810万円
- パターン4:年初300万円+5万円/月×5年積み立て:約3,830万円
- パターン5:年初360万円×5年積み立て:約3,850万円
このように順調に上がってくれれば、当然早く投資したほうが有利ですが、実際は上昇と急落を繰り返します。NISA枠をオルカンの投資信託で使っていたらどうなっていたのか?次の章で確認しましょう!
3.新NISAの”つみたて”と”一括投資”のオルカン シミュレーション結果
それでは、1988年を開始年として、毎年1月から積み立てたシミュレーション結果を見てみましょう。現在、2024年になりますので、15年前の2009年積み立て開始が最新となり、22回分のデータになります。
なお、オレンジ~赤の部分は投資元本の1,800万円を下回ったパターンであり、緑色になるほど資産額が大きくなっていきます。
平均を見ればわかる通り、”年初に360万円を一括投資”するのが一番資産が増えているので、毎月の積み立てよりも年初一括投資のほうが有利ではあります。
全22回のうち、”月30万円の積み立て投資”と”年初360万円の一括投資”で、どちらの資産が増えた年が多かったか?というと、
月30万円の積立投資:8回(36.4%) < 年初360万円の一括投資:14回(64.6%)
となっています。
ただし、その差は15年間運用して80万円程度であるため、平均を見るとそこまで大きな差ではないとも言えます。
唯一、元本割れしてしまった1997年に投資を開始したパターンでは、年初一括投資が一番ダメージが少ないこともわかりますね!
4.新NISAの投資枠上限まで”つみたて”と”一括”の最大差は?
NISA制度で15年間オルカンに投資した過去シミュレーション結果から、”年初に360万円を一括投資”するのが有利ではあるが、そこまで大きな差はないということがわかりました。
しかし、投資を開始した年によっては、かなり大きな差になっていますので、「”つみたて”が有利だった1990年開始」と「”年初一括”が有利だった2009年開始」のオルカンシミュレーションを確認しておきましょう。
”つみたて”が有利だった1990年開始シミュレーション
”年初一括”が有利だった2009年開始シミュレーション
どちらのパターンも投資元本1,800万円に対して、評価額が2倍の3,600万円以上になっているため、あまり大きな差に見えませんが、
・1990年開始の場合は、”つみたて”が約+120万円
・2003年開始の場合は、”一括投資”が約+600万円
となっており、つみたて有利な場合は最大約3%程度、一括投資有利な場合は最大約7%程度、資産の差がついています。
資産の絶対額が大きいだけに、差がつくときは結構大きな差がつくのは理解しておきましょう!
5.新NISAの投資枠上限までのオルカンおすすめ投資法
オルカンの過去データからのシミュレーションから、
・年初に360万円を一括投資するほうが有利であるが、その差は平均すると80万円程度(約2%程度)であること
・”つみたて”が有利だった最大の差は約3%程度であること
・元本割れしてしまった唯一の1997年開始のパターンでダメージが一番少ないのが一括投資であること
を考慮すると、NISAの年間投資枠上限である360万円まで投資できる方は、
年初300万円+月5万円をクレジットカードでつみたて投資しポイントをゲットする
のが、管理人としてはおススメです。
ただし、あくまで過去データからのおすすめであり、絶対ではありません!また、投資を始めたばかり、もしくはNISAで初めて資産運用を始めるような方は、月30万円のつみたて投資をおすすめします。株はリスク資産であり上下に大きく動くため、いきなり大きな額の資産で運用すると、ご自身のリスク許容度を超えてしまい、株式市場から退場してしまいますので・・・。
新NISAの投資枠上限である360万円まで最速で投資して本当に大丈夫なのか?ご心配な方は、こちらの記事でオルカンの過去シミュレーションをしておりますので、あわせてご覧ください。
新NISAの証券口座はもう決めましたか?まだの方、変更予定の方は、お得な証券口座で始めるためにこちらの記事もどうぞ!