※2025/03/04 Update※

S&P500へ長期での積立投資を実施している方は多いと思いますが、利回り5~7%で積立投資のシミュレーションしていませんか?
過去の歴史から平均利回りとして5~7%が期待できるのはその通りですが、金融庁や証券会社の積立シミュレーションのように資産が右肩あがりのチャートになることは、ほぼありません。
実際、株価の動きや為替の影響は想像以上に大きく上下します。
過去の暴落時や上昇局面でどうなったのか?を50年以上の過去データからシミュレーションし、リアルな資産推移を見ておくことで、「急騰や急落でも慌てることなく、淡々と積立投資を続ける」ことができる一助になればと思います。

・ドル建てではなく、円建てでの平均利回りや平均リターンはどうだったのか?
・古くは第一次オイルショック、ブラックマンデー、さらにリーマンショックやドットコムバブル時はどうなったのか?
・利回りとリターンが良かった年、悪かった年でどの程度差がでるのか?
これらをS&P500の過去50年以上のデータでシミュレーションし、具体的な数字とチャートで解説します。
この記事でわかること
- S&P500へ5年、10年、15年、20年、25年、30年積み立てた場合の平均リターンと平均利回り
- S&P500へ積み立て開始した年ごとのリターンと利回り
- S&P500の最大・最小リターンのリアルなチャートで見る資産推移
1.S&P500の特徴とチャート

S&P500の特徴とチャートをおさらいしておきましょう。指数の中身をちゃんと把握していない方も多いので、この機会にさらっと見ておきましょう。
S&P500の特徴
S&P500はアメリカの大手企業500社の株式パフォーマンスを示す指数です。
企業の時価総額に基づいて加重平均されており、米国経済の動向を把握する上で重要な指標となっています。
構成銘柄は、主に情報技術、金融、ヘルスケアなどのセクターが含まれており、アップルやマイクロソフト、ジョンソン・エンド・ジョンソン、JPモルガン・チェースなど、様々な業種のリーディングカンパニーが採用されています。

ココがポイント
S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています
S&P500の過去チャート
1ドル360円の為替が崩れた1971年(その後変動為替相場へ移行)の1月のS&P500価格を1とした、ドルベースと円ベースの2024年末までのチャートです。為替が大きく影響しているため、1971年を起点とすると大きな差になっています。

年利7%のラインと比較していかがでしょうか?この時点で右肩あがりの資産推移にならないことが容易に想像できます。
S&P500の直近30年の過去チャート
1971年を基準とすると54年前となり、世界情勢や経済・金融環境が大きく変わっていることもあるため、直近30年のチャートを参考に作成してみました。
30年前の1995年1月末のS&P500価格を1としたチャートがこちらになります。

1971年からの54年分のチャートとはだいぶ印象が違うのではないでしょうか?
コロナショック前までは多少差はあれど、ほぼ同じようなパフォーマンスでしたが、コロナショック以降は円ベースが大きく伸びています。
直近3年間の円安がものすごかったことがわかるチャートです。110円前後が3年程度で150円あたりまで上がってますからね・・・。約36%パフォーマンスを押し上げてます!
2.S&P500のシミュレーション条件
1971年から54年分のS&P500のデータを利用した、今回のシミュレーション条件は以下の通りです。
S&P500のシミュレーション条件
- シミュレーションは以下6パターン
パターン1:10万円/月×5年積み立て(投資総額:600万円)
パターン2:10万円/月×10年積み立て(投資総額:1200万円)
パターン3:10万円/月×15年積み立て(投資総額:1800万円)
パターン4:10万円/月×20年積み立て(投資総額:2400万円)
パターン5:10万円/月×25年積み立て(投資総額:3000万円)
パターン6:10万円/月×30年積み立て(投資総額:3600万円) - 投資先はS&P500連動の投資信託を想定
- 投資信託の経費率は0.1%とし、配当はすべて再投資(配当は直近のS&P500平均配当率1.10%で一律計算)
- ドルベースではなく、円ベースでの算出
- 結果は12月末の資産評価額(端数は万単位で切り上げ)
2.S&P500の積立投資 過去シミュレーション結果

1971年から2024年末まで、54年分のデータから毎年5年、10年、15年、20年、25年、30年積み立てた場合のシミュレーションを実施しています。
オレンジ~赤の部分は投資元本を下回ったパターンとなり、緑色になるほど資産額が大きくなっていきます。
5年積立投資した利回りとリターン
5年積立の平均(投資総額600万円)
- 平均トータルリターン:156万円
- 年平均利回り:8.8%
S&P500へ5年間積立投資(1971年から2024年まで過去50回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。

50回のうち13回(26%)はマイナスリターンになっています。そして、利回りが最低-20.2%~最大27.5%とブレ幅が大きすぎるため、5年の積立投資ではリスクが非常に高い状態です。
10年積立投資した利回りとリターン
10年積立の平均(投資総額1200万円)
- 平均トータルリターン:735万円
- 年平均利回り:8.9%
S&P500へ10年間積立投資(1971年から2024年まで過去45回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。

45回のうち4回まで(約8.9%)マイナスリターンが減っています。利回りも最低-9.4%~最大17.3%と依然としてブレ幅が大きいものの、許容できるレベル感になっているのではないでしょうか。
15年積立投資した利回りとリターン
15年積立の平均(投資総額1800万円)
- 平均トータルリターン:1,879万円
- 年平均利回り:8.6%
S&P500へ15年間積立投資(1971年から2024年まで過去40回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。

40回のうちマイナスリターンは4回(10%)と10年積立投資したパターンと同じでした。ただし、利回りは改善されており、最低-2.5%~最大17.1%と、マイナスリターンであっても大きく減ることは避けられるため、15年がS&P500の積立投資期間の1つの目安になりそうです。
20年積立投資した利回りとリターン
20年積立の平均(投資総額2400万円)
- 平均トータルリターン:3,621万円
- 年平均利回り:8.1%
S&P500へ20年間積立投資(1971年から2024年まで過去35回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。

35回の中でマイナスリターンは1度もありません。利回りは最低1.5%~最大14.2%となっており、マイナスリターンがなくなる20年の積立期間がS&P500のもう1つの目安になりそうです。
25年積立投資した利回りとリターン
25年積立の平均(投資総額3000万円)
- 平均トータルリターン:6,491万円
- 年平均利回り:7.9%
S&P500へ25年間積立投資(1971年から2024年まで過去30回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。

30回すべてプラスリターンとなっています。利回りも最低2.9%~最大12.1%とブレ幅が改善(特に最低値)しており、長期の積立投資としては十分な期間であると思えます。
30年積立投資した利回りとリターン
30年積立の平均(投資総額3600万円)
- 平均トータルリターン:1億281万円
- 年平均利回り:7.6%
S&P500へ30年間積立投資(1971年から2024年まで過去25回分)をしたシミュレーション結果は以下の通りです。

マイナスリターンは当然なく、24回すべてプラスリターンです。利回りは最低3.6%~最大10.9%と改善しているものの、20年→25年と比較すると、少し物足りない感じがあります。なお、1億円を突破することが多く、億り人を目指すのであれば30年の積立投資は1つの目安になりそうです。
4.S&P500の最大、最小パフォーマンスのチャート

過去データから、積立開始の年や積立期間によって結果が大きく変わることがわかりましたが、実際の資産推移がどうなるのか?をチャートで見ておきましょう。
S&P500へ5年、10年、15年、20年、25年、30年と積立投資した、一番良かったパターンと悪かったパターンをチャートで比較することで、シミュレーションサイトとの違いがよくわかります。
5年積立投資したチャート

10年積立投資したチャート

15年積立投資したチャート

20年積立投資したチャート

25年積立投資したチャート

30年積立投資したチャート

ご自身でシミュレーションしたものと比較していかがでしょうか?急落や暴落はもちろん、逆に急騰しても淡々と長期で積立投資できそうでしょうか・・・。
5.S&P500の過去の平均利回りとリターンまとめ
S&P500の各積み立て期間における平均をまとめると以下のようになります。

S&P500の長期積立投資を実践している方は、目標資産まで届きそうでしょうか?もちろん、積立期間によっては資産が減ってしまう可能性があることも想定しておきましょう。
なお、あくまで過去データからの平均利回りやリターンであり、未来も同じ結果になるわけではありませんが、参考データとしては重要であると思います。
入金額にもよりますが、積立投資を20年以上継続できれば、老後資産には困ることはなさそうですね!
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